【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



雑貨屋やアクセサリーショップを回りながら、ほとんど私が喋っていた。

その間、太一は笑ったり相槌を打っり、聞く側に回ってくれる。

これが私と奏になると、お互い自己主張が激しいので喧嘩みたいな荒々しいやりとりになる。


そう言えば、太一と奏が二人きりならどんな話をするんだろうか。

奏のおしゃべりを太一は真面目に聞いているのを想像すると笑ってしまう。


「あ、これ可愛いね」



プレゼントは、私が選んだ羽をモチーフにしたピアスに決めた。

フワフワと身軽で、フワフワとすぐ誰とでも付き合っちゃう奏にはぴったりだと二人で笑った。


「意外と早く終わっちゃったね。どうする?」

「んーー? 深雪は行きたい所ないのか?」

「行きたいところ、ねぇ。……」


二人して同じポーズで腕組しながら悩んでいると、後ろからガヤガヤと騒がしい集団が歩いてきた。



「あー。めっちゃ楽しかったーー」

「ねー。皆でプリクラ撮ろうよ」

「あははあ、全員入るかって……深雪?」