太一は、どんな顔をしてくれるかな?

昨日あんなに泣いたのに、両想いだったなんて言ったら、どんな顔するかな?

心配で、そわそわ落ちつかない。

月曜からテストだから、土曜の今日は部活は無い。

今頃、太一は甲子園の選抜試合に出場中だ。

庭に出て、空を見上げると、雲ひとつない青空。

蝉の声に、くらくらするような日差し。


最高気温が35度を超えるだの越えないだのニュースも盛り上がってたよね。


……応援に行ったら駄目なのがあの子のせいだったのなら、今は私は全然気にしないんだから行っても良いのかな?


――行きたいな。


見てみたいな。

隣の奏の家を覗くと、おばさんが庭に打ち水をしていた。


「おばさん、おはよー! 奏は寝てる?」


「あら、深雪ちゃん。寝てる寝てる。喝入れてやってよ」


二階を見上げながら鬼の形相のおばさんには悪いけど、笑って誤魔化す。