【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



裏門の今は使われていない焼却炉の前に差しかかった時、腕を捕まえられた。

それを振りほどきたくて、何度も何度も本で叩く。


「痛いって、深雪」


「――信じらんない」


再び振りあげた手を、止められた。



「何でそんなに簡単に言えちゃうの?」

涙が溢れてくる。

奏は知らない。伝えてないから私の気持ちなんて確かに知らない。


でも、色んな女の子と付き合う度に、

彼女のイニシャル入れてアドレスにしたり、

見せびらかすように一緒に帰ったり、

彼女へのプレゼントのアドバイスを私に聞いたり。


簡単に別れて、簡単に好きになって、

その度に私の心は見苦しく泣いていたのに。

はなから眼中にないと言っているような扱いが、

昨日の今日でこんな風に変わったら、

私の気持ちも簡単に扱われたようで苦しい。



言えなかったのは、私たちを誤解してたとしても、

誰かと付き合うたびに私は太一に慰めてもらっていた。