「ごめん、なんて言っていいのか分からないし纏まんないんだけど、
もう昔みたいに後悔してくねぇ。
ずっと頭の中から、深雪が離れられない」
嘘みたい。
奏が急にこんな事言うなんて、嘘みたい。
未だに信じられず、言葉がぐっと詰まる。
身を焦がすような熱さと、なぜだがジワリと広がる涙。
嬉しいのに、苦しい。
「離して、痛い」
「あ、悪い」
ガンガンと乱暴に音を立てて脚立から降りると、奏を振りかえられないまま、なんとか涙を堪えて本だけは貸出口で手続きが出来た。
「深雪!」
図書室にいる全員が振りかえる様な声で名前を呼ばれると、もう止まらなかった。
走って走って、早くこの場所から消えたかった。



