その日は、
何だか胸がざわざわして、
胸にぽっかり穴が開いたような気がして、
お守りを縫う一針一針が、重く、鉛のように布を通るのを嫌がっていた。
甲子園への大事なお守りを、そんな気持ちで縫いたくなくて、押し花にしていた昨日の太一がくれたオレンジ色の花を取り出してみた。
押してまでして手元に置こうとしてしまった花。
そこまでして手に入れようとした花がなんだか、私が今、必死でしがみついている三人の思い出みたいで、可哀想になる。
大切な花ならいつまでも残しているより、誰かの為に、誰かの心を癒す為に散る方が奇麗に思い出に残るのかもしれない。
分からなくなる。
ぐるぐるする。
なんでこんなに胸が痛いのだろう。



