「お前、今は誰が好きとか、……聞いても大丈夫?」
「――大丈夫じゃない」
奏との空気がまた段々と重くなっていく。
どんどん、重く、息苦しくなっていく。
「私、ずっと私を見てくれない人に片思いしてるから」
目だけでは、いつも『好き』って思って、伝えてるよ。
もし、奏が。
少しでも、その蟠りを払拭してくれたら、私はどれぐらい可能性があるんだろう。
それとも、奏にも私は『ただの幼馴染』なのかな?
太一の言葉が私の胸を抉って、声を枯れさせる。
気づいて欲しい。けど、怖い。
幼馴染っていう場所さえ無くなってしまいそうで。
「やば、なんか、その、ちょっと待って。今、混乱してるからこれ以上まだ考えられねー」
「うん」
「また、明日から普通にしてて貰っても大丈夫っずかね?」
「なんで敬語なのよ。了解」
いつもと変わらない奏の言葉に何だかとても救われた。



