「ちょっと、失礼」
「うわっ、勝手に入んなよ」
弟が居ないのを確認してから、窓から奏の部屋の窓を開けた。
「落ちんぞ、馬鹿」
たった50センチしか離れてないこの距離を心配してくれているのに笑ってしまう。
「お邪魔しまーす」
さっきあんなに怒鳴ったから気まずかったはずなのに、嫌なことばかり考えてしまいそうでじっとしていられなかった。
奏は慌ててベットの上の物を端に避けて座るように促してくれる。
遠慮ぜず、座った瞬間、私は大きく息を吸いこんで、
「「ごめん!!!!」」
え……?
今、私の声に被さって、奏も?
二人で見つめ合って暫く、瞬きしてから噴き出した。
「何であんたまで謝ってんのよ」
「だって、お前こそ!」
バツが悪そうに笑う奏に少しだけ緊張が溶ける。
本音はただ、『好き』。
だけど、今はそれを口に出すのは怖かった。
「奏まで誤解してるとは思わなくて、カッとなってごめんね」
「あ、や、俺も」
「当時ね、唯に言われるまで、こそこそ噂だけが一人歩きしてたのがすっごく嫌でさ」
奏の言葉を遮って話を続ける。
今は、迷わないように伝えたいことは逃さずに言いたくて。



