「そ、うかな……」
「うん。それだけだって俺からも奏に言おうか?」
それだけ、か。
私と太一は幼馴染、ただそれだけなんだ。
部活も違うし、高校も違う。
おしゃべりそたり、こうやって相談に乗ってくれるのはただ家が近い幼馴染なだけ。
「――深雪?」
「うん。ありがとう」
表情が上手く作れないけれど、私は今、笑えているのかな?
私の顔を見て苦笑している太一を見えるから、きっと私は上手に笑えなかったんだね。
「私、奏を一方的に怒鳴っちゃったから、ちゃんと説明してくるね」
「そっか」
「上がり込んじゃってごめん。じゃ」
なんだか私と奏は太一とは少し距離があるように感じていたのは、――多分。
太一は私たちの御守役みたいな。
守ってやらなきゃって思ってくれているような。
一歩引いてくれているのは、私のせいなのかもしれない。
「深雪ちゃん!」
靴を履いていたら、バタバタと階段を下りて来る美緒ちゃんに小声で呼びとめられた。
「お兄ちゃん、不器用なだけだから! もっと見てやって」
「へ、あ、うん?」
首を傾げると、美緒ちゃんは焦れたように私の両肩を掴む。



