「最近、あいつジョギング始めたろ? スニーカーとかは?」
「あーー……。狙ってた女の子の為に走ってたね。でも振られたから止めるかもよ」
「何だそれ。あいつは相変わらずだな」
太一は苦笑すると、山積みになったハンバーガーを一つ、食べ始める。
ハンバーガー8個に、ポテトLにチキンまで。
見ているこっちがお腹が苦しくなりそうなんだけど、太一はぺろりと食べるから恐ろしい。
「深雪は?」
観察していたはずが、ぼーっとしていたらしく二個目のハンバーガーを食べながらそう言われた。
「ピアスかなぁ。欲しがってたんだよね」
「深雪たちの高校はピアスOKだっけ?」
そう言われて私は胸の前で腕をクロスして『×』を作る。
「でも、ダンスもしてるじゃん、奏。ダンスの時に一緒に揺れる感じのピアスが欲しいみたい」



