【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~


「最近、あいつジョギング始めたろ? スニーカーとかは?」

「あーー……。狙ってた女の子の為に走ってたね。でも振られたから止めるかもよ」

「何だそれ。あいつは相変わらずだな」

太一は苦笑すると、山積みになったハンバーガーを一つ、食べ始める。

ハンバーガー8個に、ポテトLにチキンまで。

見ているこっちがお腹が苦しくなりそうなんだけど、太一はぺろりと食べるから恐ろしい。


「深雪は?」

観察していたはずが、ぼーっとしていたらしく二個目のハンバーガーを食べながらそう言われた。


「ピアスかなぁ。欲しがってたんだよね」

「深雪たちの高校はピアスOKだっけ?」

そう言われて私は胸の前で腕をクロスして『×』を作る。

「でも、ダンスもしてるじゃん、奏。ダンスの時に一緒に揺れる感じのピアスが欲しいみたい」