【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



涙が溢れるこれは、何だろう。

椎田さんみたいに頑張ったり、足掻く前から、私の失恋は決まっていたんだ。



ずっと、奏の綺麗なフォームや、優しい笑顔に憧れてたのに。


隣に居れたらいいなって。


――それ以上は望んだことなんてなかったのに。



でも、奏は私が太一と付き合っていても平気なんだ。



「――深雪?」


腕を掴まれて振りかえると、――太一だった。

ランニング中だったのか、黒いシャツは汗でびっしょりだ。


「どうした?」

私の涙に気づくと、すぐに首から下げているタオルで拭こうとして、止めた。


その行動に和みつつも、私は小さく頭を下げると、涙を拭く。


「椎田さんに会ったよ。黙ってて、――守ってくれようとしてありがとう。
でも彼女はもう私は気にしてないから大丈夫」

「えっ」

面食らった顔をしつつも、直ぐにいつもの顔に戻った。


「何も言われてない?」


「うん」


「じゃあ、何で泣いてるの?」