隣にいた椎田さんが後ずさりするぐらい、私は大声で奏を罵ってしまった。
奏も目を見開いている。
「私と太一がそんな付き合うわけないじゃん。……もしそうでも、奏に秘密にするわけないじゃん!!」
「や、そう……だけど、さ」
「何で聞いてくれなかったのよ! 馬鹿馬鹿!」
――ああ。
ヤバい。涙が滲んでくる。
つまり、奏はずっと私は太一と付き合っていたって勘違いしてたってことは、
とっくに私なんて眼中に入ってなくて。
だから色んな子と付き合ったりしてたんだ。
最初から、私なんてどうでも良かったんだね。
「帰る!」
「ちょっと、まだ話はっ」
「私があなたの話を聞く義理はありません!」
「――深、雪」
奏は酷く傷ついたような、大人びた表情を見せたけど、すぐに無表情になった。
まるで私が傷つけたみたいで居た堪れなくて、そのまま土手の上に上がり、走って帰った。



