「ああ、ごめん。つい、ね」
ペロッと舌を出した後、ちょっと真面目な顔になってから、私と椎田さんを見た。
「でも、君もあの時居たなら分かるじゃん。太一と深雪は当時付き合ってたんだよ。
お守りも、深雪から欲しいんじゃないの? 」
「え?」
「え!?」
私の素っ頓狂な声と椎田さんの声を絞り出したような声はほぼ同時だった。
「噂は流れてたけど、あれって本当だったの!?」
「違う違う違う! え!? ちょっと待って、奏」
びっくりした。
なんで奏がそんな事言うのか。
「私と太一がいつ付き合ってたって?」
情けないけど、声が震えてしまった。
奏がなんでそんな誤解してるの?
「だって、太一あの日、深雪を助けてたじゃん? あの後、色んな人からそんな話聞いたし、二人は何も言えないけど、なんか周りの空気が肯定してたっていうか」
「馬鹿!!!!」



