太一は、真面目で一途な感じの女の子にモテることが多かったけど、この子も好きなんだ。
私に宣言できるぐらい。
「ただの幼馴染なら、ちょっとは遠慮してよ! 私は太一君と甲子園行くためにずっと頑張ってきたんだから!」
「……」
そう一生懸命話す椎田さんを見て、なんだか胸が痛かった。
それは、申し訳ないからとかではなくて、私はこんなにがむしゃらに奏を思ってこんなに積極的に動いたことなんてなかったから。
怖くないのかな、とか、
今も私にそう言えるぐらい自信があるんだなって思うと、すごく胸が痛い。
「あのさ、深雪を怪我させたのは、その嫉妬からのわざと?」
「え!?」
「わざと?」
寝転んでいた奏は起き上がり、急に無表情になり大きな目で見つめる。
「ね、わざと?」
もう一度、椎田さんに尋ねるけど、その迫力に口を閉じた。
「どんな手を使っても勝とうとするのは、あんま美しくない。
今も、太一の気持ちも考えないでこそこそずるいと思うよ?」
「わざとじゃない! でも、逆転されそうだったから、なんとしても止めたくて、つい……」
「奏、それはもう謝って貰ったし、いいんだよ」
彼女のせいでバスケが出来なくなったわけじゃない。
私が下手だから体を駆使しすぎただけ。



