ほとんど部活もない日だから、今帰っている生徒が多く、視線が気になるみたいで落ちつかない素振りを見せる。
「ちょっと場所変えて話せます?」
焦ったような顔で言わて、仕方なく頷いた。
学校から駅までの道を少し遠回りすると、部活生がよくランニングする土手が見える。
そこの橋の下は小川が流れていて涼しく、小学生がよく野球やら集まってゲーム対戦やらしている。
そのスペースに自転車を止めて、奏は寝ころんだ。
「あの、何で新道君もいるの?」
訝しげに寝転ぶ奏を見ながら、ゆっくりと語り出した。
「椎田 真衣(しいだ まい)です。浜松で太一くんと同じクラスで、ずっとマネージャーしてて」
「へー。太一が好きなんだ!」
「奏!」
注意すると舌を出し、反省の表情を一切見せない奏。
う――ん。腹が立つ。なんで大体着いてくるのよ。
「好きだといけない? 中学からずっと片思いで笑えます?」
刺々しく椎田さんは奏に言い放った後、私の方を見た。
「カバンもしつこく聞いたら新道くんのカバンって言って安心してたのに、昨日は二人で帰ってたし、お守り断られて理由を尋ねたら他に貰う人がいるって言われて」
まくしたてるように言われて、何だか居たたまれなくてヘラっと笑う。



