【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~


「何だよ! 素直な深雪気持ち悪いなっ」

「気持ち悪いって何を!」

「えい!」

奏が私の髪をぐしゃぐしゃにしてきた。

校門のちょっと前で、私と奏は逃げたり髪をいじったりとふざけあっていたら、視線を感じた。



「崎谷 深雪さん」



「?」

校門の外から此方を覗いて私の名前を呼ぶ人?


浜松高校の制服を着た、日本人形みたいな長い黒髪の女の子が、背筋をピンっと伸ばし、緊張した顔で私を見ている。

私も奏も返事もせずにその子を見ていたら、苛立ったように一歩踏みだすと、思いっきり睨みつけられた。



「私を覚えてる?」


「誰?」

助けを求めて奏を見たが、首を振るだけで知らないみたい。


「バスケの試合で貴方に怪我を負わせたんだけど、覚えてないの?」

「全く……」

さっき奏に言われたばかりだけど、本人を前にしてもやっぱり分からない。

「でも謝ってもらったしもう気にしてないよ。どうしたの?」


「今、私は野球部のマネージャーをしているんだけど」

そう言った後、周りを見渡す。