「私が悪いんでしょ。いい。いいからどっか行って」
「深雪」
「私が良い年して二人にベタベタしちゃうのがいけないんだから」
今は、何でも冷静に諭そうそする太一なんかとは話したくない。
それだったら、まだ気分を変えてくれようと冗談を言って笑いを取る奏の方が好き。
「深雪ってば」
「知らない!」
振り向かずにどんどん歩き、信号を渡った所で家と逆方向だと気付いたけど、振りかえりたくなくて、仕方なくぐるっと回って歩いていこうと思った。
「ほら」
後ろから手が伸びてきて、私の目の前には、一輪の花が上から降りてきた。
「部活帰りだからお金持ってないんだ。一輪で機嫌直して」
振りかえると、坊主頭を掻きながら困ったように笑う太一が居た。
「……誤魔化そうとして」



