【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~


「もういい」


「深雪、あのさ、太一は」


「ごめん。用事思い出したし足ももう痛くないから、二人で帰って」


私の明らかな不機嫌オーラに、奏は慌てているけど、太一は私の方を振り向かなかった。

それが益々、私を傷つける。

久しぶりに太一に会えて嬉しかった私がバカみたい。

籠から自分のカバンを取ると、反対側の道へ渡る。


「奏、着いてこないでよ」

弁解もせず、背中だけ見せる太一からは、私への強い拒絶が見て取れる。

そんなに私に見られたくなかったら、インタビューなんて受けなきゃよかったのに。

プレッシャーだか何だか知らないけど、私にまでそんな態度ってどうなのよ。



闇雲に歩いたせいでか、偶然か、目の前には小さな花屋が見える。

道路を一個向こうに渡るだけで、こんな可愛いお店があるなんて知らなかった。

ぬいぐるみがあちこちに飾られた店内には、サボテンから切り花まで種類がいっぱいあるのが見えた。


――見えたのに。

なんだか入る気持ちになれなかった。