信号が変り渡ってきた太一は、一週間見ないだけで真っ黒になっていた。
「部活頑張ってるな」
「今日は、整備で走り込みだけだったけど」
ちらりと自転車の後ろに座っている私を見た。
「足?」
「あはは。大丈夫だよ」
太一にまで嘘ついちゃうのはちょっと罪悪感が半端ない。
「でも奏の運転は粗いだろ? お前、降りて漕げよ」
「はいはーい。お父さん」
ちょっと拗ねたように言うが、素直に降りた奏は、太一と喋りはじめた。
「どう? 俺のカバンは役に立った?」
「――チャラチャラし過ぎて、俺のじゃないとすぐにばれた」
表情は変らないけど、困っているのは雰囲気で見て取れた。
「あ、この前のインタビュー見たよ~」
「!?」
何気なく言ったつもりだったのに、急に太一が後ろを振り返った。
「見たのか?」



