【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~


信号が変り渡ってきた太一は、一週間見ないだけで真っ黒になっていた。


「部活頑張ってるな」

「今日は、整備で走り込みだけだったけど」

ちらりと自転車の後ろに座っている私を見た。


「足?」


「あはは。大丈夫だよ」


太一にまで嘘ついちゃうのはちょっと罪悪感が半端ない。

「でも奏の運転は粗いだろ? お前、降りて漕げよ」

「はいはーい。お父さん」

ちょっと拗ねたように言うが、素直に降りた奏は、太一と喋りはじめた。

「どう? 俺のカバンは役に立った?」

「――チャラチャラし過ぎて、俺のじゃないとすぐにばれた」

表情は変らないけど、困っているのは雰囲気で見て取れた。


「あ、この前のインタビュー見たよ~」

「!?」

何気なく言ったつもりだったのに、急に太一が後ろを振り返った。


「見たのか?」