交差点で停まると、奏は腕で汗を拭う。
まだ空は明るくて、小学生が遊びから家に帰宅する時間帯なのか、あちらこちらで見かける。
「奏は? 将来、どうするの?」
「え―?」
丁度、携帯を取り出してLINEを始めた奏が画面から目を離さないで応える。
「俺、大学かな~。ダンスの先輩たちが、大学でサークル作ってるらしくて、大会とか出るみたいなんだよね」
「あんた、受験するつもりならもうちょっと頑張りなさいよ」
しかも私が聞きたかったことは、もうちょっと大きな将来のことだったんだけど、
奏はまだ大学に行くぐらいしか考えてないんだろうね。
奏らしい。
「あ」
信号が青に変わると同時に、奏は小さく声を上げた。
「珍しいじゃん、太一」
交差点の向こう、太一が重そうな野球バックを手に信号待ちしている。
「そっちもテスト――?」
「――ああ」



