【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



「お前、足が痛いんだって?」

「ほえ!?」


今日は体育館が使えなくて、ランニングだけで早めに帰れる日だったのだけど、部室から出ると、奏が待っていた。

私を見るなり、漫画をカバンに入れて、腕を引っ張る。


「唯から聞いたよ。間接、痛むんなら無理すんなよ。送る」


そう言ってカバンを奪われると、持って来ていたらしい自転車の籠に入れる。


唯の馬鹿。いきなり、そんな展開に持ち込まないでよ。

そう困りながらも、
奏のカバンと一緒に自分のカバンも入っているのを見ると、なんだかお揃いみたいでくすぐったい。



「昨日、太一が親と喧嘩してたぞ」

「え!? 珍しい。奏じゃあるまいし」

後ろに座って、奏の背中に隠れながらも、あの無口な太一には信じられなかった。


「なんか大学の推薦と、企業からのスカウトが両方来ててさ、揉めてたぞ」


「……そうなんだ」

太一は大学に進むかと思っていたけど、そっか。企業に入って野球を続けたり、結果次第ではプロからスカウトされたりするのか。