しかも唯が聞きに来るまで、私も太一も気付かなかった。
あの奏さえ気づかないのか聞きに来なかったし、水面下で広まり暗黙の了解だったらしいと聞いた時は本当に驚いた。
私も太一も苦笑はしたものの、奏が希望校の偏差値に全然追いついていない事実を知り、付きっきりで勉強に付き合ってからは、そんな話忘れていた。
「ほら、あんたも太一も、部活一筋って感じで、色恋沙汰に全く興味持ってなかったでしょ?」
「そりゃあ、キャプテンにもなれば張り切るじゃん」
「聞ける雰囲気じゃなかったんだよねぇ。でも確か奏人は皆に聞かれて……」
「え!? 何それ、知らないよ、私」
唯は飲んでいた紙パックのストローが空気しか吸い込まなくなってからもずっと私の方をみたまま、無言になった。
「あんた、いつまで奏に片思いしとくの?」
「え?」
「後から出てきた、チャラい女にばっか盗られて、悔しくないの?」
「それは、その。奏のタイプがあんな感じだから」



