「あはは。何それ、ないない。深雪ならすぐ顔にでるもん。奏もいつもみたいに彼女の名前入りアドレスに変えてないじゃん」
どいてどいてーっと唯が皆を掻きわけてくれたおかげですぐに話は収まり、ばらばらに散って行ったけど問題は奏だ。
週刊少年漫画を広げながら、数人で入ってきた奏は笑いながら自分の席に座る。
「おはよう」
「うわ、何?」
にゅっと現れた私に戸惑いながらも、漫画をめくり始める。
「そのカバン、誰と交換したの?」
新品みたいに黒光したそのカバンを指さすと、奏はニタリと笑う。
「だーりん」
「は?」
「太一が女避けに交換してってさ。知らない他校の子からよく待ち伏せされるんだって。昨日よびだされたのはこれでした~」
奏も浜松のカバンに満更でもないのか上機嫌だ。
「ばかっ! タイミング悪すぎ!」



