その夜はああでもない、こうでもないとお守りの事で悩んでしまい、寝不足だった。
美緒ちゃんのカバンで登校して、朝連はなかったので奏と合う事も無くクラスに着いたのに、なぜか皆、私のカバンを見るや否や、ザワっと騒ぎだした。
「何……?」
『え、どっち?』とか『まさか!?』とか女子の方がこそこそしている。
「ちょっと、ちょっと、何? 浜松のカバン、そんなに可愛い?」
私がそう言っていると、中学からの友人で女子バスキャプテンの唯(ゆい)が、朝連から戻ってきて、一番に私に手を振った。
「何の騒ぎ――?」
無邪気にそう尋ねると、興奮した女の子たちに囲まれた。
「今日、浜松の野球部キャプテンがウチの高校のカバンで登校したらしくて、浜松の子が相手は誰だって騒いでるの!」
「向こうの高校じゃ、野球部って人気だから」
「えっ……」
太一がウチの高校のカバンを?
そんなの全然知らなかったし、誕生日プレゼント選んでからは、メールさえしてないから分からなかった。
「でね、さっきコンビニで漫画立ち読みしてた奏人は、浜松のカバンを持ってたの! 今、カップルでカバン交換するの流行ってるらしいじゃん? それか奏と深雪がお揃いであのカバン買ったのかなって」
早口で幕しててるように言われても、奏も太一のことも全然知らなかったから、私の方がビックリだ。



