「おめでとう。本当に私も嬉しい……」
伝えたいのに、涙が、感動が、興奮が邪魔をする。
「ずっと、私、ずっと、太一の気持ち分かって……あげられなくて、逃げて…私、私」
「そんな事ないって。今日は御守りのおかげで頑張れたし。俺の後ろには仲間も居た。家族も、そして深雪も来てくれたよ」
優しい。
太一の声は、言葉は優しい。
「そんな太一が、好き。大好き。いつも隣で優しい目で笑ってくれて、言葉を飲み込んで傍に居てくれる太一が――ずっとすっと本当に好きだった」
「うん」
「何処に居ても、違う場所にいても、高校が離れても、大人になっても、
太一が私じゃなくて違う人を好きになっても、私には太一が大切。
太一が一人で戦おうとするのは嫌だ。私、馬鹿だから、甘えて気づかない馬鹿だから、呼んで。私を呼んで。駆けつけるから」
誰よりも、優しい貴方を。
私はちゃんといつでも受け止めて分かってあげたい。
「ありがとう」
場内アナウンスで、太一の名前が呼ばれた。
地元のテレビ局のインタビューに、表彰台の所まで来てほしいと。
「私も、もう甘えない。太一を支えられるような、迷わない大人になりたい」
「あはは。うん」
「だから、奏に譲ってあげてください!!!」



