【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



「おめでとう。本当に私も嬉しい……」

伝えたいのに、涙が、感動が、興奮が邪魔をする。



「ずっと、私、ずっと、太一の気持ち分かって……あげられなくて、逃げて…私、私」



「そんな事ないって。今日は御守りのおかげで頑張れたし。俺の後ろには仲間も居た。家族も、そして深雪も来てくれたよ」


優しい。

太一の声は、言葉は優しい。



「そんな太一が、好き。大好き。いつも隣で優しい目で笑ってくれて、言葉を飲み込んで傍に居てくれる太一が――ずっとすっと本当に好きだった」


「うん」


「何処に居ても、違う場所にいても、高校が離れても、大人になっても、



太一が私じゃなくて違う人を好きになっても、私には太一が大切。



太一が一人で戦おうとするのは嫌だ。私、馬鹿だから、甘えて気づかない馬鹿だから、呼んで。私を呼んで。駆けつけるから」


誰よりも、優しい貴方を。

私はちゃんといつでも受け止めて分かってあげたい。



「ありがとう」


場内アナウンスで、太一の名前が呼ばれた。

地元のテレビ局のインタビューに、表彰台の所まで来てほしいと。


「私も、もう甘えない。太一を支えられるような、迷わない大人になりたい」


「あはは。うん」




「だから、奏に譲ってあげてください!!!」