【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~


蝉の声が消える。

歓声も、解説の声も。


その中で、投げ出されたボールを太一はフルスイングした。



音も感じることもできないぐらいの、風を切るボール。


軽々とネットを飛び越えたボールは、応援席へ勢いよく落ちていった。



数秒だったと思う。

たった数秒の静寂の後、大きな歓声と共にタオルが鳴った。

興奮し過ぎて音が合わない吹奏楽部の応援曲が流れてくる。





やっぱり太一はヒーローだった。


ベースを踏みながら、仲間が待つホームへ走って行くと、皆に抱きしめられる太一。


一年ルーキーは下を向いて帽子を深く被りなおした。