しいんと静まりかえった試合会場。
シミの声が大きく反響して聞こえる中、このピリリとした緊張感に私は辺りを見渡した。
延長50回、太一達の攻撃。
一対一の同点のまま。
バッターボックスに立っているのは太一。
投げようと帽子の縁を持って太一を真っすぐ見つけるのは、噂が流れた大物ルーキー。
息を飲む中、太一の眼は真っすぐだった。
清らかな、落ちついた瞳。
「太一!!!!」
好き。
太一が好き。
一人で背負う、不器用な貴方が好き。
――大切だって、私が傍に居るって、―――伝えたい。
「太一、いっけーー!!」



