日曜日。

太一は朝早くから練習に向かった。
自習練なのか部活なのか分からない。

私は自転車に跨る太一を、カーテンの隙間から見ていただけ。

はっきり伝えなければ、私こそ太一の甲子園への気持ちの邪魔になる。

――心から応援はしている。
小学生のころから頑張っていた野球。
それだけは本当だよ。



「ねみー。おはよー。深雪」
お昼の方が近いギリギリ朝と呼べるか判定が難しい時間に、奏は欠伸をしながらやってきた。
耳に揺れるピアスは、私たちからのプレゼントのピアスだった。


それを付けた奏は、私の朝ご飯を摘もぐもぐ味わいながら公園に誘ってきた。


「ダンス、深雪もやってみない?」

気が晴れるよ、と奏は笑った。