土曜の試合は、太一の宣言通り、ノーヒットノーランだった。

一時、『完全試合(パーフェクトゲーム)』になるのではと、学校の掲示板やLINE,ツイッターの急上昇ワードに上がるほどの圧倒的な試合だった。


美緒ちゃんは生徒側で見ていたから、奏と唯はくるくる回るように興奮して応援していた。


練習試合で負けて、自慢してまわられた雪辱は果され、太一の高校は―――次で甲子園に生けるか決まる、決勝戦だった。


内緒で行ったはずだし、応援席の一番端で応援していたのに、太一からLINEが来ていた。




『見に来てくれてありがとう。
絶対に勝って甲子園にへ進む。

ホームランを打つから、打てたら返事貰うよ』



私はそのメッセージに既読を付けただけ。
返事を送信できずにそのままの宙ぶらりんにしていた。

画面越しじゃなく、直接じゃなきゃ伝わらないから。