抱きしめられている――。
そう気づいた時、太一の大ききな背中が上下していて、大きく波打っている心臓の音が聞こえてきた。
ドクドクと、激しく。
「ごめんね、太一」
太一が、どんな気持ちで言ってくれたのか。
太一が、どんな気持ちで我慢してたのか、
私は知っていた。分かってたのに気づかないフリをしていた。
だって、傍に居たかったから――。
「何のごめん?」
「私、奏が」
「でも、幸せそうじゃないよ」
「だったら何で今更――」
ガサガサと草が揺れる音が大きくなったと思ったら、パサリと地面に何かが落ちた。
「何、してんの?」



