【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



「お願いだから、そんな顔しないで」


悲痛な太一の声が胸を抉る。


「俺が、どんなに抑えて奏の元へ送り出したと思ってるの?」


「ごめっ 離して」


「俺を選んだら、そんな顔、しなくなるのか?」

ぎゅっと握られた腕が、痛い。

胸よりも痛く感じて、悲しくて、自分が情けなくて泣けて来る。



「そんな幸せそうじゃない、辛そうな顔するなら、俺はもう我慢しない」


ガサガサと葉っぱが風邪に揺れる音さえも、スローに聞こえてくる。

掴まれた。

心臓を掴まれた。

だから私は動けない。

死にそうで、動けないんだ。




「――もう奏には、譲らない」