【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



本当はこんなこと言いたくなかった。
椎田さんを傷つけるって分かってた。分かっていたのに、止まらなかった。



「帰って。太一を責めるのは違うよ。頭を冷まして」

泣いている椎田さんに、胸が痛む。
謝りたかった。でも、それでも、私は幼馴染の地位を守りたかったんだ。



「これ、お守り出来たから。もう破れないよ」

「深雪……」

「頑張ってね」


笑えたかな? にっこり上手く笑えたかな?


その笑顔を崩さないまま、私は家へと向かう。


「深雪!」


なのに、太一は腕を離してくれなくて。

地面に紙袋が音を立てて落ちていく。


「――私、最低だ」


酷い。二人は椎田さんを責めていたけど、私はもっと酷い。

「手、離して」

こんな可愛くない、醜い顔、見られたくないの。

お願い、見ないで。


バタバタと、椎田さんが去って行く足音だけが無残にも響いて行く。