【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~





「崎谷さんになんでそんなに義理立てするの? やっと奏君と付き合って解放されたのに」

「だから、深雪は関係ないって」

ドクン
胸が張り裂けそうな、この先は聞いてはいけないような、そんな焦りが私の全身を覆う。
なのに私は身体が動けない。

聞きたく、ない。

聞きたくない、のに。


「でも、好きなんでしょ?」



聞きたく――……。


聞きたくなんてなかった。なかったのに。


「止めて……」

気づいたら、私は小さく呟いていた。


「止めて!」


私の言葉に二人は振り返る。


痺れる体を、引きずるように二人の前に歩いて行く。

怖くて太一の顔が見れなかった。


「試合前の太一に、そんな話止めて。それでもマネージャーなの?」

違う。私は今、正論を振りかざし、真実から逃げようとしていた。

椎田さんも唇を噛み締める。



「今は、貴方の気持ちを押しつけるのは、違うんじゃないかな」