【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



「何処に行くの?」

フライパンでチキンライスを炒めながら、お母さんに言われた。


「美緒ちゃんのとこ」

スリッパをひっかけながら答えると、ゆっくりと玄関のドアを開けた。


「~~!?」
「――だから」


太一の家の前で揉めている声、――喧嘩?

目を凝らしてよく見てみると、椎田さんと太一だった。

今の今まで出かけていたのかな。

興奮気味の椎田さんを宥めているようで、太一は困惑していたけど、はっきりと聞こえてきたのは辛辣な言葉だった。


「俺は、たとえ深雪のお守りを断ったとしても、君のだけは貰えないよ」

「何で?」

「本気で告白してきた君に、期待はさせたくないから」

トーンはいつも通りの太一だった。でも、真摯に向き合っている。

昼間の奏は、腕を絡ませながらカラオケに入っていたのに。

太一は真面目すぎる。



――二人のどちらの行動も私の胸が痛むのは、自分でも意味が分からないけれど。