「恨んでも消えないから、私は誰も恨みたくないって思ってたの。だから、いい」
二人が、――奏が分かってくれていたら、それでいい。
坂を下ればすぐにウチが見えるけど、何だか泣き顔を見られたくなくて、奏の家のリビングで勉強会をした。
リビングには、奏の優勝したトロフィーやメダルが飾っていて、小学生の時のバスケチームの写真には私と奏は隣同士で映っていた。
ヤンチャそうにボールを掲げる奏と、ピースする私。
バスケは楽しかったし、奏の綺麗なフォームもいつか真似できたらいいなって思ってた。
だから、確かにバスケはもう出来ないと分かった時は哀しかったし泣いたけど、
私にはバスケを頑張る奏の隣で応援するっていう道が浮かんだ。
太一の野球を支えるなんておこがましくて考えられなかったんだよ。
それが私たちの位置なんだと思った。



