椎田さんの顔は真っすぐに私を見ていたから、私も逸らさずに椎田さんを見る。
「うん。ずっと好きだったから」
奏の隣に入れる今、それでも三人同じ気持ちで好きで一人占め出来ないことぐらい分かっている。
だから、笑った。
「後悔しても、遅いから」
彼女の瞳には迷いはなかった。私も頷く。
それで漸く納得してくれたのか、まだ少し不服そうだったけど、トイレから出てくれた。
四人で話す事も無いので、そのまま私と奏はノートを買って歴史の年号クイズをしながら帰路へと着いた。
「勉強は何処までしとこっか?」
参考書を開く私を、奏はじっと見つめる。
「奏? そんなに見つめられたら穴が開くんですけど」
私がそう茶化しても、奏はじっと見る。
「深雪が一番悔しかったから、俺たちは怒らなかったんだ。無理すんなよ」
ポンポンと頭まで叩かれる始末で。
――本当に私の事を見ていてくれているんだなって、愛しくなった。
ポロポロと、涙が流れる。



