【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~

「ごめん。なんか彼女、プレッシャーからピリピリしちゃってさ。先生に頼まれて気分転換させてたんだよ」

だから意外な組み合わせで買い物していたんだ。

椎田さんは顔を洗いにトイレに消えたが、奏はちゃっと不機嫌だった。

「だからって深雪に当たるのは違うだろ? あんなこと言われたら、こっちだって深雪の足はあの子が」

「奏! 私は良いから。それに仕方ないよ。毎年全国行ってるならプレッシャーは出ちゃうし」

確かに彼女は私に対して刺々しいけど、私からは関わるつもりも、争うつもりもない。

それに太一の部のマネージャーだし、険悪になったら太一が気をすり減らしてしまいそう。


「深雪は優しすぎるんじゃねーか? 俺は許せない。俺は深雪が頑張ってバスケ部を引っ張っていたのを三年間一緒に見てきたから、あんなことになった相手が深雪に八つ当たりするのは信じられない」

いつもの奏らしくなく、初めて奏が誰かを悪く言っている事にビックリした。
普段の奏からは考えられない。


「ちゃっと飲み物買ってくる」

言った後に冷静になったのか、自販機へと駆け出す。

残ってしまった私と太一は、お互いに顔を見合わせて笑うしかなかった。