【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~


「私で良かったらするよ。ごめんね、不格好なお守りだったから」

「そんな事ない。作って貰ったんだからどんな形でも嬉しいよ」
太一の否定に、明らかに椎田さんは眉をしかめた。

「はは。あのお守りか。腰から飛び出したら怖いよな、確かなに」


うんうんと、奏がおちゃらけてくれたからなんとか場は誤魔化せたけど、ちょっとだけ不穏な空気が漂っていた。

「テスト前に悪いけど、土曜の試合までにお願いしたいんだ」

「じゃあ、明日は2教科だけだから今日やるね」


「当たり前でしょ! テストより、甲子園の方が大事なんだから!」

「――椎田さん」

太一がやんわりと諭すが、椎田さんの回りにはピリピリと張り詰めた空気が漂っている。

「こっちは真剣なの。テスト前にぱぱっと作られたお守りなんて失礼だわ。それだったら私が、…私が作ったのを受け取って欲しかった」


ついにはポロポロと泣きだしてしまい、私たちは慌ててお店から椎田さんを連れ出した。