唯と美緒ちゃんが私を見て気まずげに固まる中、私は酷く冷静だった。
「昔付き合ってた、一個上の先輩だよ」
どの人とも同じぐらい。三か月も続かなかった。
――あの先輩もその一人だ。
恋人期間が短かった分、奏は別れてからも友達として仲良くしているから、あんな光景見過ぎている。
「自信持ちなって! 今はあんたが彼女なんだから」
「私は平気だよ」
それに、奏はやんわりと腕を離した。
不満そうに、まだ誘う先輩を適当にあしらうと拝むように謝りながら、駅の中へ向かっていく。
先輩はちゃっと不機嫌そうに腕を組んで睨んでたけど、携帯に電話が来たらにこやかにバス停の方へ歩いて行った。
「ふうん。落ちついてるね。信頼関係が出来てる証拠じゃん」
「なんか夫婦みたいですね」
二人も取り乱さない私に、ホッしたのか関心してくれた。
「かーな」
二人に急かされて、急いで後を追うと奏は私の方を向いて驚いた。
「びっくりした。女子会は?」
「皆、テストが怖いから早めに解散した」
「良かった。俺もノートが切れたから買ったら真面目に勉強しようって思ってたとこ」
……さっきまでカラオケしてたくせに、と妙な笑いがこみ上げてきた。
「明日は二教科だからまだ簡単だよ」
「まあ確かにな。テストさえ終わったら夏休みだ!」
ぐーっと背伸びした奏は、どこかもう夏休み気分の陽気な雰囲気だけど。



