「あああーむかつく!」
結局行く場所もなかった私と太一は、ふらふらとボーリング場に入った。
休日だから混んでいたけど、一番手前のレーンがすぐに空くたので助かった。
やっと太一も学ランを脱いで、青色の半そで一枚になると開放的になったのかソファに座り込む。
「ホント、あいつ昔からモテるなー」
「あら、太一もモテるよー。真面目で大人しい子とかに」
それに、太一は今も昔も野球一筋だもん。
たとえ可愛い子に映画を誘われてもそれが野球の試合や練習日だと絶対断る感じ。
ちょくちょく上手くサボってた奏とは違う。
奏は求めたり惹きつけたり、周りに気を使える分、人が寄ってくるけど、上手く好きな子の為なら時間を作るもん。
「深雪も相変わらずだな」
そう笑われてしまった。
なんでだろう。
太一にはなんでもばれてしまう。
小学生になった時、私と奏は同じバスケ部を選択した。
ただ奏に誘われたからなんとなく。
でも太一だけ野球部に入って、そこがまずひとつの分岐点だったのかもしれない。



