入道雲を背に、アイスを半分個に割って、仲良く自転車に乗って帰った。
頬を伝う汗と、冷たいアイスの反対の感触が、少しだけ私を狂わせる。
「土曜の相手、練習試合で一回だけ負けた事があるらしいよ」
「へー」
「試合、一緒に見に行こうな」
「日曜は?」
「ピアスつけてダンス!」
ピアスホールを開けた耳は、絆創膏が貼られている。
昨日、私が帰ってから穴を開けたらしい。
太一がうるさいから、付けるのは我慢したとか。
もう奏のお父さんみたいだ。
「何を笑ってるんだよ」
「別に~」
可愛いなんて言えなくて笑って誤魔化した。