奏が怒鳴っても、迷惑そうに追い払うか、笑ってからかう大人な態度。

ハンバーガ―を何個も食べれるぐらい大きな身体。

毎朝、自習練している努力家。

ずっと、応援してくれていたあの眼差し。

どうか。こんなに優しくて完璧な太一の夢を叶えて下さい。


色んな思い出を一針一針縫いながら、歪でセンスのないお守りが完成した。


――うん。

見た目じゃない。中身だ。中身。

それにベルトの所に縫い付けるなら、見えないし問題ない。


すぐに渡すのがちょっと勿体なくて。

一晩まくら元に置いたら、太一に渡しに行こう。