「俺だ…入るぞ」
「はい、どうぞお入りください。」

「ルキア様です。」
ジュリアが突然の来訪者に動揺するアリシアを気遣いそっと教えてくれた。

彼女が一礼したのに続き慌ててアリシアも椅子から立ち上がり頭を下げながらこちらへ向かってくる人物を待った。

「頭を上げろ。お前に聞きたいことがある。
…体調はいいのか?」
「…大丈夫です。お助けいただき、ありがとうございました」
思いがけずかけられた自分に対する気遣いの言葉にアリシアは戸惑いながらも顔を上げた。
国王と言われ、怖れて身構えていたが…。