アリシアは目を丸くした。
宮廷…!?

たしかに周りを見れば鏡に映る少女は品位のあるスカートに身を包み、デスクや棚、ベッドも清潔で高級感が漂っている。

アリシアはさっきまで自分が着ていた服を思い返した。
ワンピースはいたるところが薄汚れていて、穴が開いていた。

言われなくともわかる、私はこの場に相応しくない人間なのだ…
「あの……私はこんな敬意を払ってもらう者ではないので」
「いえ、ルキア様よりお客様として扱うよう指示をいただいております。
どうぞ、お気になさらずに」

私がお客様…?
宮廷を訪ねる人は皆こういう扱いをされるのだろうか
「そう…なのですか。
 あの、ルキア様とは?」
「あら、珍しいですね。
お知りにならないのですか?
まぁまだ国王になられて3ヶ月ですからね。
ルキア様はエストリアの国王です。
あなたが森で倒れているところを助けられました。
目を覚ましたことを先ほどご報告いたしましたからもうすぐここに来られるはずです。」
……!?

その言葉はアリシアを一番驚かせた。
国王に森で助けられた?
……なぜ私は森にいたの?