目を開けるとクリーム色の天井が広がっていた

「良かった、お目覚めになられましたね」
声の主の方を向くと同い年くらいの少女が安堵を浮かべた顔でこちらを見ていた。
この少女が誰なのかアリシアにはさっぱり解らなかった。
そして自分がなぜここにいるのかも…

ただ呆然としていると少女は言葉を続けた。
「まだ状況も掴めていないと思いますが落ち着くためにもまずシャワーをお浴びください。
拭くだけでは泥は落としきれなかったので…。新しい服もこちらで用意いたします。」
「えっ…あのっ」
アリシアは訳も解らず促されるままに部屋にある浴室に連れ込まれた。


「…ありがとございました。」
シャワーを浴び、用意されていた美しいドレスに着替え浴室をでた。
「……お人形さん」
「え…?」
先ほどの少女がキラキラとした瞳でこちらを見て呟いた。
アリシアの手を引っ張り、大きな鏡のあるドレッサーへと案内する。
「お人形さんみたいです!!こちらへどうぞ、髪の毛を乾かしますね。」
″ブォーン″
暖かい風が髪にあたりそして手際よく毛先まで櫛でとかされてゆく。

すっかり少女のペースに流されていたが一息ついたところでアリシアは鏡ごしに少女に尋ねた
「…ここは?」
「エストリア国の宮廷です。」