彼女は女官の自分など比にならないほど高い位をもつ貴族の令嬢
古くからもその地位は確立されている。

しかもヴィルフォード家と深い関わりを持ち、今や国王となったルキア様とは幼なじみである

彼女がなぜここに来たのか……
それは容易に想像することができたけれど

王宮に仕える者としてて上からの命令に逆らうことはできない。

「……かしこまりました。」
ジュリアはそう答え普段よりも重たく感じる扉を開けるしかなかった。


アリシアのいる部屋はルキアの部屋と客間を間に挟んですぐ隣にある。
それもエリシャにとって気にいらないことだった。

ルキアに一番近い部屋に突然現れたあの女が居座っている
自分以外の女がルキアのそばにいるなんて許せることではない

しかもそれが貴族でもない人物…

エリシャはアリシアに対する嫉妬と怒りに燃えていた。