ルキアはアリシアの部屋を訪れるなり少し不安そうな顔をしていた。
「あまり食事が喉を通らないようだな」

…心配してくれているのだろうか?
たしかに食べる量は少ないかもしれないが
それは部屋に運ばれてくる食事の量が多いということも一理ある。

自分はただ拾われただけであって本来ならばこの場にいることさえふさわしくない…

それなのに宮廷での扱いは雑などころか部屋が与えられ綺麗な服までクローゼットにきっちりと並んでいる。
アリシアはもったいないほどの自分に対する待遇に躊躇していた。


「お前に見せたいものがある…ついて来い。」

「…?分かりました」

背は頭1つ分の差があるだろうか
アリシアはそのがっしりとした背中についていった。

「ここだ。…中は自由に見ればいい」

廊下を歩いてゆくとやがてステンドグラスのはめられた扉に案内され、ルキアが鍵を開けた。