アリス様は、振り上げたままだった。
「…お止めください…!!
萌様を…傷つけないでください…!!」
雷貴…。
「萌様は、今まで…辛い思いをしてきたのです!!
なので…
傷つけないでください…!!」
その言葉に、
「…ら…いき…。(泣)」
嬉し泣きをするあたしと、
「……。(泣)」
悲し泣きをするアリス様。
「萌様は…
私の大事なお嬢様です!!!!!!」
涙が止まらなかった…。
雷貴の方が危ないのに…。
アリス様は、力が抜けたのか、
床に倒れこんだ。
雷貴が剣を下ろすと同時に、
あたしは、目の前に居る雷貴に近寄った。