その日の夜、

「龍さん、ごめんなさい。
ちょっと出掛けて来ます。」

「どちらに?」

「散歩に…。
一人で行くので。」

そー言って、出てきてしまった。
執事を付けずに歩くなんて…危ないってわかってるけど…

一人になりたかった。










雷貴…なんだか、アリス様と一緒に居る方がしっくりくるって言うか…。

あたしとなんか居ない方がいいって思った。


あたしなんて…元庶民で、
しかも、貧乏人。


そんなあたしと…あんな完璧な人…
釣り合うわけないよね…。