「あ、あの…」
「ん?」
ああ、そうやって顔を覗き込まれると
上手く話せない…
きっと
この顔の綺麗さがもう、恵まれてるんだなあ
隣の彼
ラッキーボーイは
「いきなり一緒に帰りたいだなんてビックリしたな〜!」
あたしが何も言えなくなったので、彼は自分からその話をし出した
なんと、彼は昼に言ったことを本当に実行して
今、あたしと一緒に帰ってくれているんだ
だけどやっぱり、
申し訳なさすぎる…
「あ、の!あたしあなたとは正反対ですごいものすっごい不幸なんです!だからあたしなんかと一緒に帰ったらせっかくラッキーボーイのあなたも不幸に…」
やっぱりこんなことやめてもらおう
あたしのせいで他人が不幸になっていくのは
もう
見たくない
「ぶっ……ははっ!!!」
ところが
隣の彼は吹き出した
「何、それ…じゃあ俺は護身用??」
「あ!や!ちが!……やっぱり不幸になってしまうのでもうここら辺で…
「不幸になるの?でも今はむしろラッキーだけど」
「……え?」
今のとこ、珍しくまだ雨が降ってきたり犬に追いかけられたりはしてない
でもラッキーなことなんていうのもなかったと思うけど…
「こんなかわいい子と帰れるなんてラッキーじゃん?」
その瞬間
あたしの顔は沸騰した
「ははっ顔赤くなったよ?かわいいな〜」
ああ、今のできっと煙まで出てる
なに、これ
これは不幸なの?
それとも……
幸せ?

