「あ…」



玉子焼きをまた口に放り込もうとしていたのか



ナナまで落としそうになりながら




その目線の先には




輝く男の子がいた





"輝く"なんて大袈裟だけど



あたしには確かにそう見えた




あたし達が見つめる彼のいる場所は



窓の外



グラウンドの端の木の下



あたし達には背を向けている他の男子とじゃれている



きっと同じ学年だけど



あんな子いたかなぁ?





その彼の笑顔は



太陽みたい



一瞬で引き込まれて



本当に






幸せそうだった




「そっか!そーだアイツだよ!」



いきなりナナがそう叫んで



あたしはやっと我に返った




「ど、どーしたのナナ…」




「あったよ!モモをどーにかする方法!」




「は、はぁ?!」




全く話についていけないあたしは



ただそんな間抜けな声を出すしかなかった




「いいから!早くアイツのとこ行くよ!」



「え、ちょっ」



あたしの言葉なんか聞かずに



食べかけのお弁当も置いたまま




ナナはあたしの手を引っ張り向かおうとしているのは





まさかアイツって






あの男の子…?!